コミュニティサイト
■「医ケアkidsルーム」開発の経緯
日常的に人工呼吸器などの医療機器を使用したり、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアを必要とする『医療的ケア児』。医学の進歩を背景に、医療的ケア児は全国で2万人を超え、10年前の約2倍となっています。医療的ケア児とその家族を支援する社会資源は徐々に増えてきてはいますが、家族が気軽に困り事を相談したり、情報交換ができる場所はまだまだ限られています。『医ケアkidsルーム』は、医療的ケア児の家族同士が交流したり、経験豊富な支援者からのアドバイスを全国の家族に届けられる場をつくりたい、という思いからできた医療的ケア児の家族と支援者向けのお悩み相談コミュニティです。
一般社団法人スペサポでは、2021年に情報収集に苦労する医療的ケア児のご家族にかかる負担軽減を目的として「医療的ケアが必要なお子さんと家族のための支援ガイドブック(札幌市版)」の制作を立案し、札幌市を拠点とする医療法人稲生会・札幌市医療的ケア児家族会・札幌市障がい保健福祉部と連携のもと同年12月に制作・発行しました(累計発行部数5000部)。このガイドブック紹介のため、複数の病院を訪問し、医師・看護師・ソーシャルワーカーなどに医療的ケア児支援に関する悩みをヒアリングしたところ「患者家族の家での暮らしや福祉サービスに関して殆ど情報を持ち合わせていない」「支援経験が豊富な人材が少ない」という声を多く聞きました。2022年、スぺサポでは、ガイドブックがない地域にも情報を広く届けていくため、総合情報ポータルサイト(「~医療的ケア児との暮らしに役立つ情報をワンストップで紹介するサイト~医ケアkidsナビ」)の企画・開発にあたり、医療的ケア児支援に直接的・間接的に携わる支援者88名を対象として「医療的ケア児への支援」をテーマとしたアンケート調査を実施しました。アンケートにおいて「家族同士や支援者が集う掲示板サイトの開発を予定しています。利用したいと思いますか?」と質問したところ、「はい」と回答した支援者が97.7%という結果がでました。病院でのヒアリングとアンケート調査の結果は、ご家族だけでなく支援者にとってもコミュニティサイトのニーズが高いことを示しており、今回の「医ケアkidsルーム」を立ち上げる根拠となりました。
■「医ケアkidsルーム」の主なユーザー層
医療的ケア児の家族、医療的ケア児に関わる支援者(医師、看護師、理学療法士、介護福祉士、ソーシャルワーカー、相談支援専門員、介護福祉士、保健師、保育士、教員、行政機関の職員など。
(画像1:コミュニティサイトのフライヤー)
(画像2:コミュニティサイトの画面)
(画像3:スぺサポが実施したアンケート調査の結果)